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訪問看護の費用はいくら?介護保険・医療保険の違いと自己負担額も解説

2025.12.27

訪問看護は自宅で療養したい方が利用できる仕組みですが、実際に検討する際は費用面が気になるという方もいらっしゃるでしょう。

本記事では、「訪問看護の費用はいくらかかるのか」「介護保険と医療保険でどのように違うのか」といった疑問にお答えします。

訪問看護で介護保険・医療保険を適用した場合の自己負担額や、保険適用にならず実費になるパターン訪問看護の費用を節約する方法も詳しく解説するので、ぜひご覧ください。

訪問看護とは?

訪問看護は、医師の指示に基づいて、看護師などが在宅療養する方を訪問する制度です。

主に病気や障害を抱える方、高齢の方、退院した直後の方などが対象となり、医療ケアや療養のサポートを行います。

訪問看護は介護保険または医療保険の適用

訪問看護は利用する方の病状や状態に応じて、介護保険または医療保険が適用されます。

訪問看護で介護保険が適用される人訪問看護で医療保険が適用される人
・65歳以上で要支援・要介護認定を受けている人
・40歳以上65歳未満で16特定疾病疾患の対象者かつ要支援・要介護と認定された人
・若年層(65歳未満)
・65歳以上で要支援・要介護に該当しない人
・厚生労働大臣が定める疾病と診断された人
・特別訪問看護の対象で頻回な訪問が必要な人
・精神科訪問看護が必要な人

主に介護保険は要介護認定を受けた高齢者が対象で、医療保険は年齢に関係なく医師が必要と認めた方なら誰でも適用されます。

訪問看護の費用は介護保険・医療保険のどちらが適用されるかによって自己負担額が変わるので、まずは保険適用の範囲を確認するのがおすすめです。

訪問看護の費用相場と自己負担額

訪問看護を利用した場合、どれくらいの費用がかかるかは多くの方が気になる問題でしょう。

参考までに、厚生労働省老健局が発表した1人あたりの1か月間の訪問看護費用は、令和4年4月時点で平均54,400円でした。

ただし、実際に支払う訪問看護費用は保険適用の種類や訪問時間、回数などによって大きく変わります。

保険適用の種類ごとに、訪問看護の費用の相場を解説していきます。

介護保険を利用した場合の費用

介護保険で訪問看護の費用を計算する方法
訪問看護の費用=単位数×単価(10円~)×自己負担割合(1~3割)

介護保険では、訪問看護の費用の計算に「単位」という基準が使われています。

■指定訪問看護ステーションの場合

区分単位数
20分未満314単位
30分未満471単位
30~60分未満823単位
60~90分未満1,128単位
理学療法士・作業療法士・
言語聴覚士による訪問(1回20分)
294単位

■病院・診療所の場合

区分単位数
20分未満266単位
30分未満399単位
30~60分未満574単位
60~90分未満844単位

■定期巡回・随時対応型訪問介護看護事業所と連携する場合

区分単位数
1月につき2961単位

基本は1単位=10円が単価ですが、地域区分や人件費割合、要介護認定の度数などによって加算されます。

訪問看護の利用者が実際に支払う自己負担額は、上記の計算式で算出した金額の原則1割(一定所得者は2割・3割)です。

例えば、介護保険で1割負担の場合、20分未満の訪問看護で自己負担額は314円です。(単価は10円で計算)

医療保険を利用した場合の費用

医療保険で訪問看護の費用を計算する方法
訪問看護の費用=訪問看護管理療養費×自己負担割合(1~3割)

医療保険を使って訪問看護を受ける場合は、厚生労働省が定める訪問看護管理療養費を基準にします。

■指定訪問看護ステーションの場合

区分項目報酬額
月の初日の訪問機能強化型訪問看護管理療養費113,230円
機能強化型訪問看護管理療養費210,030円
機能強化型訪問看護管理療養費38,700円
それ以外の場合7,670円
月の2日目以降の訪問訪問看護管理療養費13,000円
訪問看護管理療養費12,500円

また、上記以外にも緊急訪問看護加算など、対応や処置によって費用が加算されます。

訪問看護の利用者が実際に支払う自己負担額は、医療保険の割合に応じて訪問看護管理療養費の1割~3割を支払います。

例えば、医療保険で3割負担の場合、月の初日の訪問は自己負担額として2,301円~3,969円です。

訪問看護の費用に影響する項目は主に4つ

訪問看護の費用は、介護保険と医療保険のどちらが適用されるかによって大きく変わります。

しかし、利用者の状況やサービス提供の条件によっても、支払う額は異なります。

訪問看護の費用に影響する主な項目
地域や事業者の種類利用時間・回数
特別な対応による加算保険の自己負担割合

訪問看護の費用に関わるそれぞれの項目を解説します。

地域や事業者の種類

同じ内容で訪問看護を利用していても、地域や事業所によっては費用に差が出ます。

地域による費用の違いは「地域区分単価」と呼ばれる仕組みによるもので、人件費の地域差を埋めるために設けられています。

基本的に地方の方が地域区分単価は安く、都市部に行くほど単価は高くなります。

基本は1単位=10円ですが、東京都の特別区では最大11.40円と高めに設定されます。

また、訪問看護ステーションと病院・診療所でも算定単位が異なるため、同じ時間での訪問でも費用が変わる場合があります。

利用者は「どの事業所を選ぶか」によっても負担額が変わるため、事前に確認しておくことが大切です。

利用時間・回数

訪問看護を介護保険で利用する場合は「訪問時間」に応じて単位数が設定されています。

また、医療保険の場合は「訪問回数」によって費用が計算されます。

訪問時間や利用回数が増えるほど費用は高くなるため、利用する方の病状や状況に合わせて「どのくらいの頻度で利用するのが適切か」をケアマネジャーや医師と相談するのがおすすめです。

特別な対応による加算

訪問看護には基本報酬に加えて、特別な対応が必要な場合に算定される「加算」が設定されています。

訪問看護における代表的な加算には、主に以下があります。

項目内容
緊急時訪問看護加算夜間や休日に急な体調変化へ対応する場合
24時間対応体制加算事業所が24時間連絡・訪問に対応できる体制を整えている場合
複数名訪問看護加算看護師が2名以上で訪問する場合
長時間訪問看護加算特別な管理のために長時間の訪問訪問を行う場合

加算が適用されると、費用は基本報酬に上乗せされます。

利用者にとっては状況に応じて対応してもらえることで安心につながる一方、自己負担額も増えるため、必要性を確認した上で利用することが大切です。

保険の自己負担割合

訪問看護の利用は介護保険や医療保険が適用されますが、自己負担割合は所得や年齢によって決まるのが基本です。

高齢者は原則1割ですが、一定以上の所得がある場合は2割または3割となり、訪問看護で支払う費用にも大きな差が生じます。

例えば、同じ訪問看護サービスを受けても、1割負担なら月3,000円程度で済むものが、3割負担では9,000円近くになることもあります。

訪問看護の費用が保険適用外になるケース

訪問看護ステーションなどによっては、保険適用外にはなりますが、自己負担でのサービスを受けられる場合があります。

保険適用外になる訪問看護サービスは、主に以下の内容が当てはまります。

訪問看護の保険適用外のサービス
・要介護認定を受けておらず医師の指示もない場合
・美容や予防が目的のケアを受ける場合
・保険適用になる回数や時間を超えてサービスを受ける場合
・旅行先や外出先への付き添いを依頼する場合

ただし、あくまで看護サービスに関わる内容にしか対応しておらず、実質的な介護や家事などは行えません。

また、対応するサービスも事業者によって異なるため、まずはケアマネージャーなどに相談しましょう。

訪問看護の費用を抑える方法

訪問看護の費用は状況によっては高額になる場合もあるため、できるだけ安く抑えたいとお考える方もいらっしゃるでしょう。

訪問看護の費用を抑える方法は、主に以下の対策が挙げられます。

訪問看護の費用を抑える方法
・要介護認定を受ける
・高額療養費制度を利用する
・自治体の助成制度を検討する
・ケアマネージャーなどに相談する

まず、訪問看護の費用は医療保険を使うより、介護保険を使った方が安く抑えられます。

利用する方の病状や状態によって、要介護認定を受けられるようであれば申請するのがおすすめです。

また、年間の訪問看護費用に対して、介護保険では「高額介護合算療養費制度」が、医療保険では「高額療養費制度」が利用できます。

自己負担上限を超えた額は後から払い戻されるか、あらかじめ手続きをしておけば窓口負担を減らせるため、積極的に活用したい制度です。

お住いの自治体によっては訪問看護の利用に対する助成制度を設けている場合もあります。

担当のケアマネージャーがいる場合は費用についても相談ができるので、気軽に問い合わせてみましょう。

訪問看護の費用に関するよくある質問

訪問看護の費用はいくらかかりますか?

介護保険を利用する場合は1回数百円~、医療保険では1回数千円が目安です。

訪問看護は介護保険と医療保険のどちらで利用できますか?

要介護認定を受けている方は介護保険、病状に応じて医師が必要と判断した場合は医療保険で利用できます。

訪問看護の費用が全額自己負担になるケースはありますか?

医師の指示がない場合や、美容・予防目的の利用は保険適用外となり、全額自己負担になります。

訪問看護の費用を抑える方法はありますか?

高額療養費制度や自治体の助成制度を活用することで、自己負担額を軽減できます。

訪問看護の費用は地域によって違いますか?

基本的な費用は全国共通ですが、介護保険の場合は地域区分によって単価が異なります。

訪問看護の費用に関するまとめ

訪問看護の費用は利用する保険制度や自己負担割合、利用時間や加算によって変動します。

介護保険・医療保険のどちらが適用されるかを理解し、高額療養費制度や助成などを活用すれば負担を抑えることが可能です。

訪問看護の利用を検討する際は、まず事業所やケアマネジャーに相談し、最適な方法を検討することをおすすめします。

コノハでは訪問看護の費用に関するご相談も受け付けているので、お気軽にお問い合わせ下さい。